2013年9月30日月曜日

吉祥寺の靴職人 3

続き
硬い皮 ショルダー や ヌメ革 床革 甲革
いろんな素材や厚み、形を使って木型に人に合わせたパーツを這わせて足に合わせて行きます。
特に足の症状や肉付き 出ている部分、そう言った事を頭の中に入れて仮縫い無しで作ったそうです。
いろいろな方から一ノ瀬さんの仕事の話を聞くと、キツくもなく緩くもなくそれでいて包まれた様ちょう度良いはき心地で、一度履くと他の靴が履けなくなってしまう様な仕事だ とおっしゃっていました。
甲の革
フマズの革
木型
「この木型ではよく作ったよ。使いすぎて3回ほど新しい木型に交換した」
木型が欠けるまで革や木で補修して使っていました。
沢山作った証です。
昔税務署がこんなに木型がボロボロになるまで釘穴作って儲かっているんだろう、なんて言われた時に
「靴はね一足作るのにたくさん釘を打つもんなんだよ」
と返したそうです。

一ノ瀬さんと昔からの付き合いのある材料問屋さん
何かと顔を出していただいたり伺ったりしましたが、気持ち良く靴や昔の事を教えていただいたり嬉しかったです。自分は自分自身に職人という言葉が好きではなかったのですが、一ノ瀬さんや浅草の師匠を見ていると、職人の在り方は時代によって変わるものではない普遍的な魅力と力強さ と得ました。

ありがとうございました!